小児歯科について
乳歯は永久歯よりも柔らかく虫歯への抵抗力が低いため、虫歯のリスクが高く、虫歯になった場合は進行スピードが早いです。しかし、「いずれ永久歯に生え変わるから」と虫歯を放置する保護者の方も少なくありません。
ですが、乳歯の虫歯を治療せずに放置した場合、以下のような悪影響をもたらす可能性があります。
- 永久歯の歯並びが乱れる
- 顎や体全体の発育に影響が出る
- 形や質が悪い永久歯が生えてくる
- 発音が悪くなる、など
上記のような症状を防ぎ健康状態を維持するためにも、定期的に歯科検診を受診し、虫歯の早期発見・早期治療に努めましょう。
歯科医院に通い始める時期
小児歯科に通い始めるのは、乳歯が生え始めた頃が目安となります。乳歯は生え始めてから虫歯のリスクが発生するため、このタイミングで口腔ケアのポイントを保護者様が把握しておくことが大切です。
また、乳歯が生え始める前も知っておいて頂きたいポイントは多数あり、例えば、離乳食の与え方や授乳方法、抱っこの仕方などが挙げられます。このように、歯科医院に通うタイミングに早すぎるということはないので、気になる方はお気軽に当院までお越しください。
小児歯科に通院するメリット
虫歯の予防・早期発見が可能になる
定期的に検診を受けることで、虫歯の早期発見に繋がります。また、早期に発見して治療を開始することで、通院回数・費用負担を抑えられます。
歯科医院に恐怖感を持たなくなる
幼少期から歯科医院に通院することで、歯科医院への恐怖感を持たなくなり、成人後も通いやすくなります。
歯の健康意識が高まる
幼少期から歯科医院に通院することで、歯の健康意識が高まり日頃の歯磨きもしっかり行うようになるので、虫歯や歯周病のリスクを減らせます。
矯正治療をベストなタイミングで開始できる
矯正治療の開始はベストなタイミングがあります。その機会を逸すると治療に伴うお子様への負担が大きくなる可能性があります。定期的に歯科医院を受診することで歯の生え変わりの状況を歯科医が把握できるので、ベストなタイミングで矯正治療をご案内できます。
当院の小児歯科のモットー
小さなお子様は知らないことばかりですが、知らないことに「嫌い」「怖い」と思うことはありません。どこかのタイミングで「怖い」と感じたり、「治療は痛い」と聞いたりすることで、歯科医院に対して苦手意識が芽生えます。これは非常に残念には思いますが、それゆえに初めて通う歯科医院は慎重に選ぶべきだと思います。
当院では、お子様の歯が正常に成長するために、虫歯の治療以外にも、乳歯から永久歯への生え変わりもしっかりサポートしています。
乳歯の虫歯について
「乳歯が虫歯になったとしても、いずれ永久歯に生え変わるから大丈夫」と考えている方が多いですが、乳歯の虫歯を治療せずに放置した場合、永久歯の発育不全を引き起こす恐れがあります。
乳歯の健康状態を維持するには、早期からお口のケアを十分に行い、虫歯の早期発見・早期治療、再発予防に努めることが非常に大切です。こうした取り組みにより、健康で丈夫な歯になっていきます。
乳歯が虫歯になりやすい理由
- 乳歯は永久歯よりも柔らかい
- 乳歯は永久歯よりも歯質が未成熟で、虫歯への抵抗力が弱い
- 乳歯はでこぼこしているため、間に食べ物が挟まりやすく、磨き残しが多い
虫歯予防のために意識すること
歯質を強くする
歯質が弱いと、虫歯菌が繁殖しやくなります。歯質を強くするにはフッ素が有効です。フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を普段から使ったり、歯科医院を受診してフッ素を塗布する処置を受けたりしましょう。
ダラダラ食べないようにする
口腔内は通常中性ですが、食事により酸性に傾きます。酸性に傾いた状態が続くと虫歯になりやすいですが、唾液によって中性に戻ります。しかし、ダラダラ食べて食事の時間が長くなると、酸性に傾いた状態が続き虫歯のリスクが高まります。そのため、食事の時間を決めて、お子様がダラダラ食べないように管理しましょう。
親御様がしっかり仕上げ磨きを行う
小さいうちは磨き残しが多いので、お子様の歯磨きが終わった後に親御様が仕上げ磨きを行いましょう。特に、寝る前の仕上げ磨きは、日中・夕食の食べかすを取り除けるため、虫歯のリスクを低くすることができます。
仕上げ磨きの方法
- お子様の頭を膝に置き、お口の中がしっかり見える状態にしましょう。
- 歯ブラシは毛先が短く小さなものがお勧めです。
- 歯ブラシの毛先を歯の表面に対してまっすぐに当てて磨きましょう。
- 下の前歯の裏に唾液腺があり唾液が出やすいので、上の歯を先に磨きましょう。
- うがいができるようになれば、歯磨き粉をグリーンピースほどの大きさにしましょう。
当院の小児歯科のメニュー
定期検診
歯の状態や生え変わりの状況などを確認し、何か問題があればすぐに対応します。定期検診の頻度は歯の状態や年齢などによって変わります。まずは当院までご相談ください。
ブラッシング指導
お子様の年齢や発育状況、歯の生え方などに合った適切なブラッシング指導を行っています。まだお子様1人では磨けない時期は、親御様へブラッシング指導を行い、ご家族でお子様の歯の衛生管理を行えるようにサポートします。
歯間ブラシ・デンタルフロスなどの補助用具の処方
歯と歯の隣接面、歯と歯茎の境目、奥歯の溝などは歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいので、虫歯になりやすいです。磨き残しが多い部分の汚れを取り除くには歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助用具がお勧めです。
特に、小さなお子様の仕上げ磨きの際はこれらの補助用具を使った方が良いです。当院では、歯間ブラシやデンタルフロスを処方しているので、希望される方はお気軽にご相談ください。
フッ素塗布
フッ素は歯の再石灰化を促し、歯質を強くする効果があります。再石灰化とは、歯から溶け出たカルシウムやリン酸を歯の表面に戻す働きです。
当院でもフッ素塗布をお勧めしています。その他にも様々なデンタルケア用品を用いて口腔内のクリーニングを行っています。
シーラント
乳歯や生えたばかりの永久歯は歯質が弱く、特に奥歯は歯ブラシが届きにくいため、虫歯になりやすいです。シーラントは、お子様の虫歯予防のための処置で、奥歯の溝に歯科用プラスチック樹脂のレジンを詰め、食べかすなどが溜まらないようにします。
また、レジンは歯の色に近い白色で、目立ちにくい特徴があります。
保護者の方へ
当院では、治療による痛みや恐怖心をできるだけ抑えられるように工夫しています。なお、成人であれば何とも思わないような治療であっても、お子様は非常に苦痛を感じることもあるので、治療が終わった後は褒めてあげてください。
甘いものばかり食べると虫歯になって辛い治療をすることになる」「歯磨きをしないとお医者さんから注意される」と脅しのようなことを言うと、どんどん歯医者が嫌いになってしまいます。そのため、前向きな言葉をかけてあげましょう。