噛み合わせ治療

噛み合わせについて

歯並びが乱れていると見た目に注目がいきがちですが、歯並びの悪さは噛み合わせの悪さが原因となっていることもある点については知っている方は少ないと思います。また、噛み合わせの悪さは、見た目に影響するだけでなく、身体の不調を引き起こすこともあります。

顎関節は体の関節の中でも重要で、噛み合わせが悪いと顎関節に負担がかかり、顎関節症の原因となります。また、周囲の筋肉のバランスが崩れ、頭痛や肩こりも起こります。 噛み合わせは日頃の生活習慣や癖により変化するため、噛み合わせが悪く全身に不調をきたしている方は、生活習慣を見直すことで症状が改善することもあります。

噛み合わせが改善することで期待できる効果

正しい噛み合わせができていれば、以下のような効果が期待できます。

  • 脳内の血流が促され、頭がスッキリする
  • アルツハイマーのリスクを減らせる
  • 記憶力が向上し、知能が発達する
  • ホルモンバランスが整い、健康・美容に良い影響をもたらす
  • 免疫力が高まる

噛み合わせが悪化する原因

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噛み合わせが悪化する原因には、加齢や生活習慣、虫歯や歯周病などの口腔疾患、遺伝などが挙げられ、ほとんどの場合、原因は単一ではなく、複数の要因が組み合わさることで起こります。

特に、成長期によく噛んで食べていない方は顎の発達が不足し、噛み合わせ・歯並びが乱れてしまいます。また、長期間にわたり歯に力が加わると徐々に動いていくため、爪噛み指しゃぶり頬杖などの癖がある方は噛み合わせが悪くなりやすいです。さらに、虫歯や歯周病によって歯や歯周組織が変形すると、噛み合わせが悪化します。

噛み合わせが悪いことが
原因で起こるトラブル

噛み合わせが悪いと下顎の骨が歪んだ状態となり、その状態で歯ぎしりをすると、歯や歯周組織、顎の関節や筋肉だけでなく、心身に多様な影響を及ぼす可能性があります。

以下が噛み合わせの悪さが原因となる主なトラブルです。

歯並びへの影響・口腔疾患

歯並びの乱れ

噛み合わせが悪いと特定の歯に負担がかかりやすくなり、歯の摩耗や隙間が発生することがあります。この隙間に細菌が感染することで虫歯や歯周病が起こる可能性があります。また、神経に炎症が起こることで知覚過敏になる可能性もあります。

歯周病

歯並びが悪い場合、磨き残しが多くなり、歯周病菌が蓄積することで歯周病になる可能性があります。さらに、歯周病の原因となる歯周病菌が血流に乗って全身に運ばれることで、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。

顎関節症

噛み合わせが悪いことで下顎の関節に負荷がかかり、顎関節症が起こることがあります。顎関節症は、下顎を動かす動作で痛みが出たり、口が開きにくくなったり、口の開閉時に不快音が鳴るなどの症状を示します。

全身症状

首や肩のこり、腰痛

噛み合わせが悪い状態で歯ぎしりをしていると、周囲の筋肉に負荷がかかり、慢性的な首や肩のこり、腰痛が発生します。歯と腰は離れており関係ないようにも思えますが、下顎の歪みは頚椎・胸椎・腰椎へと伝わり、負担がかかり続けることで腰痛が起こります。

頭痛・偏頭痛

口の筋肉は頭部の筋肉と繋がっているため、噛み合わせが悪い状態で食いしばりや歯ぎしりをしていると、頭部の筋肉が緊張して頭痛や片頭痛として症状が現れます。

いびき・睡眠時無呼吸症候群

噛み合わせの悪さが原因で奥歯が内側に倒れ込むと、舌が後退して気道が狭くなり、口呼吸が多くなります。これにより、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあります。

精神的な不調

噛み合わせが悪いと、上記で説明した身体的な異常を招くだけでなく、ストレスも溜まりやすくなります。ストレスは、認知症やうつ病の原因となるため、噛み合わせが悪い状態では認知症やうつ病の発症リスクが高まります。また、自律神経失調症や心身症、睡眠障害の原因にもなります。

噛み合わせのセルフチェック

噛み合わせに問題がないかご自身で確認するには、以下の2つの方法があります。以下の項目に当てはまる場合、正常な噛み合わせとなっている可能性が高いです。

奥歯を噛み合わせて「イー」と言う

  • 上下の前歯に隙間ができていない
  • 上の前歯が下の前歯より少し前にある
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割りばしを横にして噛む

  • 割りばしが水平になっている
割りばし

なお、上記のチェックに問題がなかったとしても、気づかないほど小さなズレがあり、心身の不調を招いている可能性もあります。そのため、気になる場合は歯科医院を受診しましょう。

当院の噛み合わせ治療について

噛み合わせの治療はスプリント療法や矯正治療、歯牙移植など様々ありますが、骨格や歯根など目に見えない部分も考慮して行う必要があるので、難易度の高い治療です。

まずは検査などにより、噛み合わせが悪化した原因や口腔内の状態、顎の筋肉や顔の骨格などを把握し、適切な治療を検討します。

当院は、噛み合わせの乱れによる全身への影響に早い時期から着目しており、適切な治療を行ってきました。 噛み合わせが悪く、全身に様々な不調をきたして悩まれている方は、一度当院までご相談ください。

よくある質問

噛み合わせが正しい状態とはどのような状態ですか?

A.噛み合わせが正しいと、上の歯1本に対し、下の歯が2本接触しており、顎が正常な位置にあります。この状態では噛む力が全ての歯に均等に加わり、特定の歯や顎に負担が過剰にかかることがありません。

噛み合わせが悪い状態とはどのような状態ですか?

A.噛み合わせが悪いと、上下の歯が正しい位置で重なりません。特定の歯に負担がかかり、歯の摩耗や隙間が発生することで虫歯や歯周病が起こりやすくなります。また、しっかり噛めないため、食べ物が大きなまま胃腸へ送られ消化器官が疲弊してしまいます。その他、頭痛や肩こりなど全身の不調を招く恐れもあります。

噛み合わせが悪い場合、口臭が強くなりますか?

A.噛み合わせが悪い場合、歯列が乱れて磨き残しが多くなります。その結果、細菌が繁殖して口臭が強くなる可能性があります。

噛み合わせの治療はどれくらい時間がかかりますか?

A.治療期間は、噛み合わせの状態や治療法によって変わりますが、矯正治療の場合は1年以上に及びます。当院では、まずはカウンセリングや検査を行い、その情報をもとに治療計画や治療期間をご相談します。

噛み合わせの治療は保険が適用されますか?

A.治療法によって保険が適用されるケースとされないケースがあります。状態次第では自費診療の治療をご案内することもあります。カウンセリングを行って保険診療と自費診療のおおよその費用を出すこともできるので、一度ご相談ください。

噛み合わせは1回治療したらもう大丈夫ですか?

A.噛み合わせの改善後に後戻りが起こる可能性があります。後戻りを防ぐには、食生活や歯並びに影響する悪習慣を改善し、毎日しっかり歯磨きを行いましょう。また、歯科医院での定期的なメインテナンスも重要です。メインテナンスでは、口腔内のクリーニング、噛み合わせの確認や調整などを実施します。